皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞInnocentSphereを宜しくお願い申し上げます。
今年のInnocentSphereの公演は4月に座・高円寺にて上演します。
是非劇場に足をお運び下さい。
さてそんな新年の挨拶をFacebookにて作演出である西森がしておりますので、こちらにも掲載致します★
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2016年 年始にあたって
あけましておめでとうございます。
InnocentSphere座付き作家・脚本家の西森英行です。
劇団主宰・狩野からの2015年締めのご挨拶に続きまして、
私より、2016年、劇団の年始のご挨拶をさせて頂きます。
劇団のFBを立ち上げて長い時間が経ちましたが、
元来筆不精であり、また一度筆を執ると悶々と悩み続けて日が暮れるタイプの私は、劇団員全員から、
「何故お前が書かぬ」
との愛に溢れた容赦ない叱責を浴び続けておりました。
「劇作家なのだから、作品で全てをお伝えするのだ」
などと高尚なフリを気取った台詞で切り返し続けておりましたが、
この2016年という新たな年の初めに、日頃、この劇団を支えて下さり、応援して頂いております皆様に、新たに湧き出す熱意の高まりとともに、新年のご挨拶をさせて頂きたいと思いました。
昨年、InnocentSphereでは、
1月の本公演『刻印』の『刻』と『印』、5月のTABACCHI「40minutes」での『セイレン』と、3つの作品を、発表させて頂く機会を頂きました。
サカキバラ事件、従軍慰安婦、そして3.11。
どれも自分が無視しては通れないと考えている事象を取り上げて、キャスト、スタッフ、お客様のお力をお借りして、作品にさせて頂きました。
移り気で流れの早い時代にあって、ともすればふいに忘れられ、あるいは意識的に忘れようとされがちな事柄を見つめながら、その奥に息づく「人間の生」と言われるようなものに触れたいと、悶絶し続けてきました。
三つの作品の取材を続け、多くの方々のお話をうかがう中で実感したのは、今、「時代の流れ」は、表面にはあまり見えないインナーマッスル、体幹の部分から、急激に変質しようとしているということです。
目には見えない人工関節やコルセットをはめられ、いつしか身動きすることもものを言うことも不自由になっていく、不可解で不気味な圧迫感。
もちろん、時代の流れの浮き沈み、揺り戻しは世の必然とも言えます。
とは言え、いつの世もそうした変質の過程で捨て去られていくものがあります。
多くの「大声」や「怒声」、「嬌声」の奥で発せられる、小さいながらも大切な何かをはらんだ、「ささやき」です。
古来から演劇は、日常の有為転変に振り回される人々が、演者を通して、「神の声」という名の「超俗世的な声」を感受し、「ハッとする」瞬間を生む機能を果たしてきました。今そんな「神の声」は、世の日蔭、老いた口元、時に草葉の陰から、「ささやき」として発せられているように感じるのです。
私はそんな現代の「ささやき」に耳を澄ませて、これからも作品を創っていきたいと思っています。
感謝すべきことに、様々な外部の舞台作品に携わらせて頂く機会も増え、皆様にお伝えする手段、表現に関しても、修練、精進を重ねております。「ささやき」をお伝えする質を日々向上させて、皆様の前に作品をお届けしたいと考えております。
劇団には劇団でしか表現できないことがある。
その可能性を信じて、今年も仲間と共に、大切に作品を創っていきたいと思っております。
皆様にとってこの一年が、充実した、大切な時間となりますよう、心より祈念しております。
西森英行
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本年も皆様にとって有意義な1年となりますように。。。